ダニエル70週の預言 聖書預言を知る重要ポイント


ダニエルは紀元前606年エルサレムからバビロンへ移された捕囚たちの最初の群れの中にいました。
彼はダニエル書の9章の祈りにもあるようにイスラエル民族と自分を同じもの(一つ)とみなして、神の前にへりくだり謙そんに祈っていました。
(この祈りの中にあるように、イスラエルの民がアブラハムに与えられた神の祝福を無視し、律法によって歩めると高慢になりました。
そして、律法の呪いによって国が滅ぼされてバビロンに捕囚として連れて来られていたことをダニエルはよく理解してました。)

預言者エレミヤにあった主の言葉によって、エルサレムの荒廃が終わるまでの年数だ七十年であることを、文章によって悟った。
新改訳聖書 ダニエル書 9章1節

また、ダニエルの祈りの中で「主よ。聞いてください。主よ。お赦しください。主よ。心に留めて行ってください。私の神よ。あなたご自身のために遅らせないでください。」(9章19節)と神さまの約束の実施を切に求めています。
私たちがイエスキリストの再臨を待つ姿です。

神の恵みはこのダニエルの祈りに答えられ、ダニエルの思い以上のものが与えられました。
それは神は、イスラエル民族、エルサレムの都、聖所についてダニエルの祈りに回答されたばかりでなく、バビロン捕囚の終わる時点から始まって、御国の設立に至るまでの、長い年月にわたる神の計画を示されたのです。

「あなたの民とあなたの聖なる都については、七十週が定められている。
それは、そむきをやめさせ、罪を終わらせ、咎を贖い、永遠の義をもたらし、幻と預言とを確証し、至聖所に油をそそぐためである。
それゆえ、知れ。悟れ。引き揚げてエルサレムを再建せよ、との命令が出てから、油そそがれた者、君主の来るまでが七週。また六十二週の間、その苦しみの時代に再び広場とほりが建て直される。
その六十二週の後、油そそがれた者は断たれ、彼には何も残らない。やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する。
その終わりには洪水が起こり、その終わりまで戦いが続いて、荒廃が定められている。
彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。
荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」   

新改訳聖書 ダニエル書 9章24〜27節

(1)「あなたの民とあなたの聖なる都については、七十週が定められている。」
あなたの---ダニエル
あなたの民---イスラエル
あなたの聖なる都---エルサレム
七十週---七十×七=四百九十

ここで「週」と訳されているヘブライ語「シュアブ」は「七の単位」を示す言葉で、それだけでは「七日」か「七年」か分からないが、この文脈では「七年」を示している。したがって「七十週」とは七十×七年、すなわち四百九十年である。

(2)「そむきをやめさせ、罪を終わらせ、咎を贖い、永遠の義をもたらし、幻と預言とを確証し、至聖所に油をそそぐためである。」
七十週後に起こることとして描かれているが何ひとつ現代に至るまで起きていない。
イスラエルは民は相変わらず神にそむき続けています。

(3)「それゆえ、知れ。悟れ。引き揚げてエルサレムを再建せよ、との命令が出てから、油そそがれた者、君主の来るまでが七週。
また六十二週の間、その苦しみの時代に再び広場とほりが建て直される。」
預言者エレミヤにあった主の言葉によって、ダニエルはエルサレムに帰る日が近いことを悟っていました。

「この国は全部、廃墟となって荒れ果て、これらの国々はバビロンの王に七十年仕える。
七十年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民、・・主の御告げ。・・またカルデヤ人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする
。」
新改訳聖書 エレミヤ書 25章11〜12節

「まことに、主はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。
わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。・・主の御告げ。・・それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。

新改訳聖書 エレミヤ書 29章10〜11節

そこで驚くべき点は「引き揚げてエルサレムを再建せよ、」から七週+六十二週の間にて「油そそがれた者、君主」が来ると宣言されていることです。
新改訳聖書では「七週。また六十二週の間」となっているが「七週と六十二週の間」と翻訳されるのが正しいとされています。
六十九週を計算して七かけると四百八十三年になります。
「引き揚げてエルサレムを再建せよ、」とはこの預言の通りに命令が出ました。
この命令は紀元前四百四十五年三月十四日に、ペルシャのアルタクセルクセス王によって出されたことが判明しています。 
英国の著名な聖書学者、ロバート・アンダーソンは「来るべき君主」という著書の中でこの預言を詳しく解説したが、その概略は次の通りです。
当時のユダヤ暦の一年は三百六十日であるから、四百八十三年を日数に直すと、483×360=173880(日)

つまり紀元前四百四十五年三月十四日から173880日目とは紀元三十年四月六日、
驚くべき、キリストがロバに乗って王としてエルサレムにいかれた日である。
聖書はその日をこのように語っている
エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエスは、その都のために泣いて、言われた。

「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。........神の訪れの時を知らなかったからだ。」
新改訳聖書 ルカによる福音書 19章41〜44節抜粋


ダニエル70週の預言

このように、キリストのエルサレム入場に至るまでの「六十九週」。すなわち四百八十三年間の預言は文字通りに実現しました。
さらにメシヤは、その後「断たれる」ことになっていたが、イエスキリストの十字架によって成就ししました。

(4)やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する。その終わりには洪水が起こり、その終わりまで戦いが続いて、荒廃が定められている。-----------
彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。
ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。
 
メシヤが断たれた後、イエスキリストご自身、また旧約聖書の預言の通りにエルサレムの町はローマのテトォス将軍によりAD70年に滅ぼされました。
(ローマによって世界中に散らされたユダヤ人たちは、聖書の預言のとおり(エゼキエル書等)2000年の歴史を超えて、1948年イスラエル国家を再建したのです。)
その悲惨さは歴史が証明しています。(洪水という表現があるか、聖書ではたびたび激しい攻撃に対してこのような表現を使っています。)
では、七十週後の御国の到来の預言はどうなったのでしょうか。
残りの「一週」すなわち七年間はどうなったのでしょうか。

キリストの十字架刑から七年後に神の御国が到来しなかったのは明らかです。
それは、イスラエルがイスラエルの王(メシア)の到来を拒否したからなのです。
御国(千年王国)の実現は将来のある時期まで延期されました。
ここに六十九週と一週の間に教会(イエスキリストを受け入れる者の集まり)という奥義が入ったのです。

「この奥義は、今は、御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されていますが、前の時代には、今と同じようには人々に知らされていませんでした。
その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということです。

新改訳聖書 エペソ人への手紙 3章5〜6節

この最後の一週こそが黙示禄で描かれている患難時代なのです。

また「荒廃が定められている」と「彼は一週の間」の間に教会が入ってきました。
これが預言を知る上で大きな鍵が残されました。
「彼」という言葉は「やがて来るべき君主」にかかっています。
これがこれから起きる患難時代の君主、ローマです。(反キリストです。)
彼は患難時代の中において七年間の堅い契約(おそらく和平条約)を結びます。

イザヤ書ではこの契約を次のように書いています。

「あなたがたは、こう言ったからだ。「私たちは死と契約を結び、よみと同盟を結んでいる。たとい、にわか水があふれ、越えて来ても、それは私たちには届かない。私たちは、まやかしを避け所とし、偽りに身を隠してきたのだから。」
だから、神である主は、こう仰せられる。「見よ。わたしはシオンに一つの石を礎として据える。これは、試みを経た石、堅く据えられた礎の、尊いかしら石。これを信じる者は、あわてることがない。
わたしは公正を、測りなわとし、正義を、おもりとする。雹は、まやかしの避け所を一掃し、水は隠れ家を押し流す。
あなたがたの死との契約は解消され、よみとの同盟は成り立たない。にわか水があふれ、越えて来ると、あなたがたはそれに踏みにじられる。」
新改訳聖書 イザヤ書 28章15〜18節

反キリストは中東和平を邪魔するあらゆる条件を解決します。
また、契約の対象が「多くの者です。」
ユダヤ人たちはこの契約により平和だと言うでしょう。しかし契約の相手は死です。
反キリストは神殿に立ちます。

 「それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)
 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
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 そのときには、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです。
 もし、その日数が少なくされなかったら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、選ばれた者のために、その日数は少なくされます。
 そのとき、『そら、キリストがここにいる。』とか、『そこにいる。』とか言う者があっても、信じてはいけません。
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 だから、たとい、『そら、荒野にいらっしゃる。』と言っても、飛び出して行ってはいけません。『そら、へやにいらっしゃる。』と聞いても、信じてはいけません。
 人の子の来るのは、いなずまが東から出て、西にひらめくように、ちょうどそのように来るのです。

新改訳聖書 マタイにより福音書 24章15〜27節 

彼はイスラエルと結んだ一方的な契約を三年半後一方的に破棄します。
彼は自分を神としユダヤ教の儀式をやめさせます。
(この患難時代ではユダヤ人たちはユダヤ教の儀式をしています。しかし現在エルサレムにはユダヤ教の神殿がありません。

AD70年ローマよって壊され、今はイスラム教のモシュク(礼拝堂)が立っています。患難時代には神殿が存在してなければいるはずです。)
そこで問題になるのか、エルサレムの帰属問題です。現在、エルサレムは純粋にイスラエルのものではありません。
もし、強行的にモシュクを取り壊して、神殿を建てるのならパレスチナ側と大きな問題になるでしょう。
すべてを解決する、仲介者(反キリストが)が必要なのです。

 追加
あくまでも、個人的な見解です。

この契約は神殿に絡んでいると見ています。
このユダヤ教の神殿は3回建築されます。

1回目建築はソロモン王によって行われましたが。
最初の崩壊は、バビロン捕囚時に行われています。

「そこで、主は、彼らのもとにカルデヤ人の王を攻め上らせた。彼は、剣で、彼らのうちの若い男たちを、その聖所の家の中で殺した。若い男も若い女も、年寄りも老衰の者も容赦しなかった。主は、すべての者を彼の手に渡された。
彼は、神の宮のすべての大小の器具、主の宮の財宝と、王とそのつかさたちの財宝、これらすべてをバビロンへ持ち去った。
彼らは神の宮を焼き、エルサレムの城壁を取りこわした。その高殿を全部火で燃やし、その中の宝としていた器具を一つ残らず破壊した。」

新改訳聖書 第二列王記 36章17〜19節

そして、時代が変わり、ペルシャの王クロスによって、神殿は再建されます。

「ペルシヤの王クロスの第一年に、エレミヤにより告げられた主のことばを実現するために、主はペルシヤの王クロスの霊を奮い立たせたので、王は王国中におふれを出し、文書にして言った。
「ペルシヤの王クロスは言う。『天の神、主は、地のすべての王国を私に賜わった。この方はユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てることを私にゆだねられた。」
新改訳聖書 エズラ記 1章1〜2節


また、この第二神殿は紀元前20年から19年の辺りに、ヘロデ大王(ローマ勢力)によって、増築されています。
ゆえに、この第二神殿はヘロデ神殿と呼ばれたのです。

そして、この第二神殿も、ローマによるエルサレム没落とともに、ローマよって壊されたのです。

3回目の神殿も、外国勢力(契約、約束)によって建築されるのではないかと考えています。
(もちろん、書かれていないので想定内です。)
時間的な無理も想定しますが、反キリストが条約を拒否し、自分こそが神だとして、神殿に立つのも理に合う行動になります。

ダニエル書預言   ネブカデネザルの夢

「ダニエル70週の預言」同様に「ネブカデネザルの夢」は終末予言を理解するうえで非常に大切です。 
ダニエルは紀元前606年エルサレムからバビロンへ移された捕囚後、三年間彼は王宮で教育を受けました。
ネブカデネダルの治世の二年 紀元前603年ダニエルはバビロンの教育の影響(哲学、偶像教育)されずに時を過ごし、王ネブカデネダルの夢を説き明かすことになります。年は恐らく17〜18歳の青年であったと考えられています。

「ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは、幾つかの夢を見、そのために心が騒ぎ、眠れなかった。
------ 王は彼らに言った。「私は夢を見たが、その夢を解きたくて私の心は騒いでいる。」
------ダニエルは王のところに行き、王にその解き明かしをするため、しばらくの時を与えてくれるように願った。
------ 彼らはこの秘密について、天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚が他のバビロンの知者たちとともに滅ぼされることのないようにと願った。
そのとき、夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに啓示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。
ダニエルはこう言った。「神の御名はとこしえからとこしえまでほむべきかな。知恵と力は神のもの。
------
それで王は、ベルテシャツァルという名のダニエルに言った。「あなたは私が見た夢と、その解き明かしを私に示すことができるのか。」
ダニエルは王に答えて言った。「王が求められる秘密は、知者、呪文師、呪法師、星占いも王に示すことはできません。
しかし、天に秘密をあらわすひとりの神がおられ、この方が終わりの日に起こることをネブカデネザル王に示されたのです。あなたの夢と、寝床であなたの頭に浮かんだ幻はこれです。
王さま。あなたは寝床で、この後、何が起こるのかと思い巡らされましたが、秘密をあらわされる方が、後に起こることをあなたにお示しになったのです。
この秘密が私にあらわされたのは、ほかのどの人よりも私に知恵があるからではなく、その解き明かしが王に知らされることによって、あなたの心の思いをあなたがお知りになるためです。

王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、
すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。
そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。
これがその夢でした。私たちはその解き明かしを王さまの前に申し上げましょう。
王の王である王さま。天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、
また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。あなたはあの金の頭です。
あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。
第四の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。

あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。
その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。

この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。しかし、この国は永遠に立ち続けます。
あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。」
それで、ネブカデネザル王はひれ伏してダニエルに礼をし、彼に、穀物のささげ物となだめのかおりとをささげるように命じた。

新改訳聖書 ダニエル書 2章抜粋

ダニエルはネブカデネザルに「終わりの日に起こること。」を前提に神が示されたことを語りました。
ここで預言されている国は次のようになります。

ネブカデネダル夢はバビロニアに続く国々について預言されたものでした。

神の預言と御力を否定する懐疑主義者(無神論者)は預言を拒否するために書かれた年代を後の年代に置きかえます。
しかし、神の御業は過去から未来に続き、人間には何も言うことは出来ません。

歴史はバビロニアメド・ペルシャギリシャローマと流れました。
材質も(繁栄と権力)―(金より劣る)―青銅(強い)と質を落としてゆきます。
人間の支配する世界は常に劣化してゆきます。

1:金であるバビロニアは繁栄と権力優れた国ですたが70年で廃れました。

2:また、胸と両腕と描かれているメド・ペルシャはメディヤとペルシャの連合国です。(右腕、左腕)
紀元前700年ごろメディヤによって始めて組織され、紀元前550年ペルシャの優勢になりました。

3:銀より劣る、青銅の国ギリシャ
ギリシャはアレクサンドロス王に代表されるようなすばやい国でしたがアレクサンドロス王一代(30歳)にて実質的には4つの国に分裂し廃れました。

4:鉄、青銅よりも劣るが強い。
鉄の国 ローマは世界は非常に強い国になりました。
そして、東ローマ、西ローマと分裂して行きました。
これは歴史の教科書にも書いてあるはずです、確認してください。

後に足は「鉄、陶器師の粘土」で造られた国(10本の指)になるのです。
人間の種によって、互いに混じり合います。
(2024年、移民問題を見てください。)
「しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません」とある通り人種は交じり合うが一つの国にはなりません。
このように、弱さと強さを持っています。

この国は終末に起きる反キリストを中心とする国です。
天とは対照的に地に接触しています。
一つの石が人手によらずに切り出された(神の手により切り出された)石、(イエスキリスト)がこの像を壊します。
王であるイエスキリストがこの世の国すべてを壊し、永遠の御国を建て上げるのです。


ダニエルに直接、預言が与えられる。

 「バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、一つの夢、頭に浮かんだ幻を見て、その夢を書きしるし、そのあらましを語った。
 ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ていると、突然、天の四方の風が大海をかき立て、
 四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた。
 第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられた。
 また突然、熊に似たほかの第二の獣が現われた。その獣は横ざまに寝ていて、その口のきばの間には三本の肋骨があった。するとそれに、『起き上がって、多くの肉を食らえ。』との声がかかった。
 この後、見ていると、また突然、ひょうのようなほかの獣が現われた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。
 その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
 私がその角を注意して見ていると、その間から、もう一本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。」

新改訳聖書 ダニエル書 7章1〜8節抜粋

ダニエルにネブカデネザルの夢によって、より深い啓示が与えられました。
天の四方の風が大海をかき立て − 異邦人世界において神の権威(怒り)が吹き荒れています。
四頭の大きな獣とは、地から起こる四人の王です。(ダニエル書7:17)

1、第一のものは獅子のようとは、バビロニアのことです。
とても、強い国でした。

2、熊に似たほかの第二の獣とは、メディヤとペルシャの連合国のことです。
食い尽くす熊のようです。
その様相は、横ざまに寝ています。
片腕(メディア)は下で、利き腕(ペルシャ)は上になっている。2つの国の強さの差を現わしています。

3、ひょうのようなほかの獣とは、ギリシャのことです。
西から猛然と襲ってくる足の速い軍隊です。
まさにひょうのようです。
ギリシャのアレクサンドロス王は考えられないような速さで国を占領しギリシャ帝国を築きました。
四つの頭 − 四つの王。ギリシャのアレクサンドロス王が死ぬとすぐに国は4つに分裂してしまいお互いに戦争を始めています。

4:第四の獣が現われました。
それは恐ろしく、強くて、鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いたのです。
他の獣と異なり、十本の角を持っています。
一本の小さな角が出て来て、初めの角のうち三本が引き抜かれます。
これはローマ帝国です。
この国は鉄の国で非常に強かった。
足の指が10本であるようにこの国の角(王)は10人です。
そこから一本の小さな角が現れます。
患難時代に現われる反キリストのことです。
反キリストによって、初めの角のうち三本が引き抜かれます。
反キリストによって3つの国が滅ぼされるのです。

「私が見ていると、幾つかの御座が備えられ、年を経た方が座に着かれた。その衣は雪のように白く、頭の毛は混じりけのない羊の毛のようであった。御座は火の炎、その車輪は燃える火で、
火の流れがこの方の前から流れ出ていた。幾千のものがこの方に仕え、幾万のものがその前に立っていた。さばく方が座に着き、幾つかの文書が開かれた。
私は、あの角が語る大きなことばの声がするので、見ていると、そのとき、その獣は殺され、からだはそこなわれて、燃える火に投げ込まれるのを見た。
残りの獣は、主権を奪われたが、いのちはその時と季節まで延ばされた。
私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲に乗って来られ、年を経た方のもとに進み、その前に導かれた。
この方に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼に仕えることになった。その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅びることがない。」

新改訳聖書 ダニエル書 7章9〜14節抜粋

ここでは、裁く方(イエスキリスト)による御国が語られています。
その獣は殺され、からだはそこなわれて、燃える火に投げ込まれるのを見ることができます。
まさに、黙示録に語られている反キリストの最後です。
残りの獣の主権を奪われます、
しかし、いのちはその時と季節まで延ばされています。
それは、千年王国の終わりです。

ダニエル書ではともに神の御国で終っています。
それは患難時代の次に来るものです。
私たちクリスチャンは直接の希望ではありません。
私たちは患難の前に引き揚げられるからです。
比較表

ダニエル書 肢体部分 材質ダニエル2章 ダニエル書7章 国名
最初の国 獅子(ライオン) バビロニア
第二の国 胸と両腕 メゾ・ペルシャ
第三の国 腹ともも 青銅 ひょう ギリシャ
第四の国 すね 恐ろしい獣 ローマ
第四の国の延長 足と足の指 鉄、陶器師の粘土 第四の国の延長 復興ローマ
10カ国連合
永遠の国 すべて打ち砕く 人手によらない石 その国は滅ばない 永遠の御国

以上がダニエル書の2章と7章に描かれた、いや、神の支配の中にある国々の歴史です。
いま、ニュースで流れている事件でさえ、神の許しなしでは起きないと言うことを心に留めたいと思います。


「南の王と北の王の戦い

ダニエル書の預言の中で「南の王(エジプト)と北の王(シリア)」の戦いの預言は有名です。
このダニエル書は紀元前500年代に書かれたものでありながら、世界の歴史が克明に描かれています。
 それどころかその延長線として、終末時の預言も記されています。
多くの人たちがあまりにも克明な預言のため、書かれた時代をずらして考えるがそれは人間の愚かな知恵だというほかありありません。
(実際に歴史と合わせて見て頂くと良くわかると思います。歴史書によっては作者(歴史書)の強調点があるため、若干違うように思われることがあるかも知れませんがぜひ、複数の歴史書を照らし合わせればその真実性がわかると思います。)

「・・私はメディヤ人ダリヨスの元年に、彼を強くし、彼を力づけるために立ち上がった。・・
今、私は、あなたに真理を示す。見よ。なお三人の王がぺルシヤに起こり、第四の者は、ほかのだれよりも、はるかに富む者となる。この者がその富によって強力になったとき、すべてのものを扇動してギリシヤの国に立ち向かわせる。
ひとりの勇敢な王が起こり、大きな権力をもって治め、思いのままにふるまう。
しかし、彼が起こったとき、その国は破れ、天の四方に向けて分割される。それは彼の子孫のものにはならず、また、彼が支配したほどの権力もなく、彼の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなる。

新改訳聖書 ダニエル書 11章1〜4節

ダリヨス...ペルシャの王、クロス王の息子、カンビュセスの自殺後,ガウマタなる人物が王位僣称したのを殺して即位したと言われています。在位は前539―529年 ?

三人の王...一人目....カンピュセス(BC529-522)
       二人目....スメルデェス(BC522-521)
       三人目....ダリヨス・ヒュスタスペス(BC521-485)

第四の者...クセルクセス(BC485-465)は強くなり、ギリシャに大軍をつれてギリシャに遠征をしたが勝つことはなかった。

ひとりの勇敢な王---ギリシャのアレキサンダー王、ギリシャはものすごい速さで大きくなります。
小アジアを征服し、インドにまで及びました。
彼が起こったとき、その国は破れ----アレキサンダーは32歳で死にました。
天の四方に向けて分割される。それは彼の子孫のものにはならず、また、彼が支配したほどの権力もなく、彼の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなりました。
---ギリシャの国はアレキサンダーの4人の配下に分けられ、直系の者には分けられませんでした。
この国は カルデア、ギリシャ、エジプト、シリアであるがアレキサンダーほどの力は持てなかったのです。

「南の王が強くなる。しかし、その将軍のひとりが彼よりも強くなり、彼の権力よりも大きな権力をもって治める。
何年かの後、彼らは同盟を結び、和睦をするために南の王の娘が北の王にとつぐが、彼女は勢力をとどめておくことができず、彼の力もとどまらない。この女と、彼女を連れて来た者、彼女を生んだ者、そのころ彼女を力づけた者は、死に渡される。」

新改訳聖書 ダニエル書 11章5〜6節

南の王---エジプト---プトレマイオス・ソーテール
 その娘---ベルニケ
北の王---シリア---アンテェオコス2世
アンテェオコス2世は王后を配して、南の王の娘を講和の条件としてもらうが、その後南の王の娘とその者たちを殺し、元の王后をを立てました。(BC250)

しかし、この女の根から一つの芽が起こって、彼に代わり、軍隊を率いて北の王のとりでに攻め入ろうとし、これと戦って勝つ。
なお、彼は彼らの神々や彼らの鋳た像、および金銀の尊い器を分捕り品としてエジプトに運び去る。彼は何年かの間、北の王から遠ざかっている。」

新改訳聖書 ダニエル書 11章7〜8節

この女の根から一つの芽---ベルニケの弟、プトレマイオス・ユーエルゲテース
彼は恐らく姉の仇を打つためにシリアの国に攻めたのでしょう。
歴史はこのことを記して、エジプト王はシリアを大破し、金四千タラント、銀四万タラント、偶像及び金銀の器類を計り知れないほど得たと記しています。
その後、シリアは財宝を得たことにより力をなくし、数年の間戦争を起こしていない。

しかし、北の王は南の王の国に侵入し、また、自分の地に帰る。
しかし、その息子たちは、戦いをしかけて、強力なおびただしい大軍を集め、進みに進んで押し流して越えて行き、そうしてまた敵のとりでに戦いをしかける。
それで、南の王は大いに怒り、出て来て、彼、すなわち北の王と戦う。北の王はおびただしい大軍を起こすが、その大軍は敵の手に渡される。
その大軍を連れ去ると、南の王の心は高ぶり、数万人を倒す。しかし、勝利を得ない。
新改訳聖書 ダニエル書 11章9〜12節


北の王--アンテェオコス2世の子 セレウコス・カリニコス
彼はエジプトに侵略を試みるが失敗します。(BC242)
その息子たち---セレウコス3世とアンテェオコス大王は南の王を攻めます。
敵の砦---ガザと言う場所にありました。
南の王が怒る。---プトレマイオス・フィロパトールは怒りました。
彼はラフィアの戦いにて多くの犠牲を出して北の王に勝利しました。(BC217)

「北の王がまた、初めより大きなおびただしい大軍を起こし、何年かの後、大軍勢と多くの武器をもって必ず攻めて来るからである。
そのころ、多くの者が南の王に反抗して立ち上がり、あなたの民の暴徒たちもまた、高ぶってその幻を実現させようとするが、失敗する。
しかし、北の王が来て塁を築き、城壁のある町を攻め取ると、南の軍勢は立ち向かうことができず、精兵たちも対抗する力がない。
そのようにして、これを攻めて来る者は、思うままにふるまう。彼に立ち向かう者はいない。彼は麗しい国にとどまり、彼の手で絶滅しようとする。」

新改訳聖書 ダニエル書 11章13〜16節

南の王プトレマイオス・フィロパトールは勝利に味わっていた勢力はしだいに衰えてゆきます。---精兵たちも対抗する力もありません。
北の王は12年後の(BC205)に南の王を攻めます。
この時、フィロパトールは世をさり、幼子(プトレマイオス5世)が後を継いでいました。
あなたの民の暴徒たち---ユダヤ人---ユダヤ人は幻(戦争を通しての王国の到来)を抱き、戦争に参加し勝利する。しかし、結果は北の王はエジプトからの勝利だけでは満足せずにエルサレムに上ってきて、イスラエル(麗しい国)を踏みにじりました。
城壁のある町を攻め取る---エジプトに属するシドンと言う街(BC198)

「彼は自分の国の総力をあげて攻め入ろうと決意し、まず相手と和睦をし、娘のひとりを与えて、その国を滅ぼそうとする。しかし、そのことは成功せず、彼のためにもならない。
それで、彼は島々に顔を向けて、その多くを攻め取る。しかし、ひとりの首領が、彼にそしりをやめさせるばかりか、かえってそのそしりを彼の上に返す。
それで、彼は自分の国のとりでに引き返して行くが、つまずき、倒れ、いなくなる。

新改訳聖書 ダニエル書 11章17〜19節

北の王は戦略的に南の王(プトレマイオス5世)に娘のひとりを与える。
これがクレオパトラ1世です。
しかし、クレオパトラは北の王のスパイにはならずに、南の王側についてしまうのです。
北の王(アンテェオコス大王)は腹いせに島々(小アジアとギリシャ)を攻め入ります。
しかし、彼はマグネシャでローマに敗れ(BC190)、自分の国帰り、殺害されました。

彼に代わって、ひとりの人が起こる。彼は輝かしい国に、税を取り立てる者を行き巡らすが、数日のうちに、怒りにもよらず、戦いにもよらないで、破られる。」
新改訳聖書 ダニエル書 11章20節

セレウコス4世はローマへの賠償金のため重税を強要し、イスラエルの神殿の宝物まで奪い去った。しかし彼は12年間統治のすえ、自分の遣わした酒税人に毒殺されました。

アンテェオコス・エピファネスの登場
彼は患難時代に現われる、反キリストの型とされています。

「彼に代わって、ひとりの卑劣な者が起こる。彼には国の尊厳は与えられないが、彼は不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る。
洪水のような軍勢も、彼によって一掃され、打ち砕かれ、契約の君主もまた、打ち砕かれる。
彼は、同盟しては、これを欺き、ますます小国の間で勢力を得る。
彼は不意に州の肥沃な地域に侵入し、彼の父たちも、父の父たちもしなかったことを行なう。彼は、そのかすめ奪った物、分捕り物、財宝を、彼らの間で分け合う。彼はたくらみを設けて、要塞を攻めるが、それは、時が来るまでのことである。

新改訳聖書 ダニエル書 11章21〜24節

ひとりの卑劣な者---アンテェオコス・エピファネス
彼には国の尊厳は与えられない---彼は正当な王位継承者ではなかった。
彼は不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る。---たぶん言葉巧みに王位を取ったのでしょう。
洪水のような軍勢も、彼によって一掃され、打ち砕かれ、---カルデアとエジプトは連合してシリア(北の王)を攻めたがシリアによって破れました。
契約の君主もまた、打ち砕かれる。---ユダヤ人の大祭司オニアス三世、彼はエピファネスよって失脚させられた。(BC175)彼は神殿において神に対する冒涜を繰り返したのです。
同盟しては、これを欺き、ますます小国の間で勢力を得る。---近隣の同盟国を欺くと言う手段で手に入れてゆきました。
彼は不意に州の肥沃な地域に侵入し、---エジプト(1回目の進入)
要塞を攻めるが、それは、時が来るまでのことである。---彼はエジプトのメンフィス城まで攻め入ったが彼の勝利は一時的でした。

彼は勢力と勇気を駆り立て、大軍勢を率いて南の王に立ち向かう。南の王もまた、非常に強い大軍勢を率い、奮い立ってこれと戦う。しかし、彼は抵抗することができなくなる。彼に対してたくらみを設ける者たちがあるからである。
彼のごちそうを食べる者たちが彼を滅ぼし、彼の軍勢は押し流され、多くの者が刺し殺されて倒れる。
このふたりの王は、心では悪事を計りながら、一つ食卓につき、まやかしを言うが、成功しない。その終わりは、まだ定めの時にかかっているからだ。

新改訳聖書 ダニエル書 11章24〜27節

エピファネスの2回目のエジプト進入(BC170)
南の王---プトレマイオス・フィロメトール
彼は抵抗することができなくなる。彼に対してたくらみを設ける者たちによって。---フィロメトールの部下が裏切る。
エピファネスは偽って(エジプトを取るチャンスを狙って)エジプト(フィロメトール)と契約をする。
フィロメトールはエピファネスの策略を知って、契約を結ぶ。

「彼は多くの財宝を携えて自分の国に帰るが、彼の心は聖なる契約を敵視して、ほしいままにふるまい、自分の国に帰る。
新改訳聖書 ダニエル書 11章28節

アンテェオコス・エピファネスはエジプトから帰って、イスラエルを攻める。---聖なる契約を敵視して、ほしいままにふるまい、自分の国に帰る。---8万人のユダヤ人を殺し、4万人を捕囚として、4万人を奴隷として売り飛ばしました。

「定めの時になって、彼は再び南へ攻めて行くが、この二度目は、初めのときのようではない。
キティムの船が彼に立ち向かって来るので、彼は落胆して引き返し、聖なる契約にいきりたち、ほしいままにふるまう。彼は帰って行って、その聖なる契約を捨てた者たちを重く取り立てるようになる。」

新改訳聖書 ダニエル書 11章29〜30節

エピファネスの3回目のエジプト進入(BC168-165)

キティムの船---ローマのためにシプルス島に駐留している軍船のことです。
ローマはシリアの勢力があまりにも大きいのを恐れてキプロス島より軍船を派遣してこれを阻止しました。
(ここには患難時代の型があり、荒らす憎むべき者が鉄の国(ローマ)に滅ぼされるという予兆です。)
エピファネスは密かに兵を準備していたがローマによって撃退させられ、敗れてシリアに引き返すがいきり立ってイスラエルに目を向けます。

「彼の軍隊は立ち上がり、聖所ととりでを汚し、常供のささげ物を取り除き、荒らす忌むべきものを据える。
彼は契約を犯す者たちを巧言をもって堕落させるが、自分の神を知る人たちは、堅く立って事を行なう。
民の中の思慮深い人たちは、多くの人を悟らせる。彼らは、長い間、剣にかかり、火に焼かれ、とりことなり、かすめ奪われて倒れる。
彼らが倒れるとき、彼らへの助けは少ないが、多くの人は、巧言を使って思慮深い人につく。
思慮深い人のうちのある者は、終わりの時までに彼らを練り、清め、白くするために倒れるが、それは、定めの時がまだ来ないからである。

新改訳聖書 ダニエル書 11章31〜35節

彼の軍隊---アンテェオコス・エピファネスの軍隊
聖所ととりで―常供のささげ物を取り除き---イスラエルのユダヤ教儀式
荒らす忌むべきもの---豚の血の供え物、偶像(神を汚すもの)
イスラエルの民はエピファネスにつくものと神につくものに分かれる。
次のような話がある。
「マタイアスと呼ばれた神を非常に愛した祭司がいた。彼には5人の子があった。
マタイアスは神の選民が迫害を見て、起こった革命を支持し、彼の長男「ユダ」と「マカベース」は民衆に選ばれて隊長になり、イスラエル人を率いてエピファネスと戦った。同時に祭司と学者も旧約聖書の預言書を持って民を指導激励した。イスラエル人は預言の中から彼ら自身が迫害を受けなければならないことを知り、同時に神が久しからずして一人のメシヤ―一人の救い主を彼らに賜るということしたので、敵の侵略に抵抗し、イスラエルを滅亡させまいとして、命を捨てて奮闘し、メシヤの来臨を待つようになった。」と記されている。
 マタイアスたちはイスラエルの民に教え、迫害にあう「剣にかかり、火に焼かれ、とりことなり、かすめ奪われて倒れる。
彼らが倒れるとき、彼らへの助けは少ないが、多くの人は、巧言を使って思慮深い人につく。」と書いてある通りです。
祭壇の再奉献式は前165年12月に行われた.(ハヌカー(奉献)の祭)


「終わりの時までに彼らを練り、清め、白くするために倒れるが、それは、定めの時がまだ来ないからである。」と書かれています。
ユダヤ人たちは神にふさわしい者となるため、神に練られるのです。
ところが突然、アンテェオコス・エピファネスのイスラエルへの迫害の歴史が不思議なことに場面が変わります。
終わりの時(患難時代)に場面が変わってしまったのです。

他の聖書個所に書かれている終末預言となっているのです。
多くの聖書学者たちがダニエルの見ていた預言に終末預言が二重に重なって見えていたと説明しています。つまり、エピファネスと反キリストが同じ人物のように写っていると言うことです。
 
患難時代

「この王は、思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。定められていることが、なされるからである。
彼は、先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。すべてにまさって自分を大きいものとするからだ。
その代わりに、彼はとりでの神をあがめ、金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神をあがめる。
彼は外国の神の助けによって、城壁のあるとりでを取り、彼が認める者には、栄誉を増し加え、多くのものを治めさせ、代価として国土を分け与える。
終わりの時に、南の王が彼と戦いを交える。北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて、彼を襲撃し、国々に侵入し、押し流して越えて行く。
彼は麗しい国に攻め入り、多くの国々が倒れる。しかし、エドムとモアブ、またアモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。
彼は国々に手を伸ばし、エジプトの国ものがれることはない。
彼は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。
しかし、東と北からの知らせが彼を脅かす。彼は、多くの者を絶滅しようとして、激しく怒って出て行く。
彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。しかし、ついに彼の終わりが来て、彼を助ける者はひとりもない。

新改訳聖書 ダニエル書 11章36〜45節

この王―アンテェオコス・エピファネスは終末の反キリストの型として(表現としてはダブって見えた。)表されています。
ダニエル書、黙示禄にも書かれているように患難時代の中期、荒らすに憎むべきものが聖所に立ち偶像崇拝さえも禁止をして、自分こそ神だと宣言し、ユダヤ人を迫害します。
この内容は他の預言(ダニエル書、エゼキエル書、黙示禄)と同じ内容を語っています。
しかし、見方が違うため他の個所で描かれていないこと、及び他の個所では描かれているのに描かれていることがある。

女たちの慕うもの---タンムズ(バビロンのメシア教で母の子供、もしカトリックがバビロンの宗教の写しであれば、カトリックの偶像的なイエスキリスト。)
また彼は先祖たちの知らない、戦争の神(とりでの神)を拝ませる。
終わりの時に---患難時代
南の王と北の王が戦争をする。
北の王は陸軍と海軍を使い、南の王を襲撃する。
そして、麗しい国(イスラエル)を攻める。エドムとモアブ、またアモン人(パレスチナ)は逃げる。
北の王が南の王の宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人(エジプトとリビア)が北の王に従う。
彼は海(地中海)と聖なる麗しい山(エルサレム)と本営(本拠地)を置く。
東と北からの知らせが彼を脅かす---バビロンとパルテアは反キリストを脅かす。
ついに彼の終わりが来て、彼を助ける者はひとりもない。---神ご自身が裁かれる。

「その時、あなたの国の人々を守る大いなる君、ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来、その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかし、その時、あなたの民で、あの書にしるされている者はすべて救われる。
地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者が目をさます。ある者は永遠のいのちに、ある者はそしりと永遠の忌みに。
思慮深い人々は大空の輝きのように輝き、多くの者を義とした者は、世々限りなく、星のようになる。

新改訳聖書 ダニエル書 12章1〜3節

地のちりの中に眠っている者---死んだ者
神の救いを受けるユダヤ人とその永遠の命を得るものの未来が記されている。
このようにダニエル記ではいくつもの方法で世界の歴史が描かれその通りに動いている。
また、歴史が預言の通りに動いているのなら、終末も同じよう確実に来るのである。


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